「変化がないのは、俺も同じだから」
いつか書きたい物語の登場人物に言わせようと考えてメモしている台詞だ。
学生時代、なにかの模倣になっているのは承知でずっと物語を書いていた。
色々な創作スタイルがあると思うが、私はどこか自己投影が入ってしまうタイプで。思い返すともぞもぞとこそばゆい。
そう、変化がない。
毎日早起きして仕事へ向かう、道中はまだ元気なのだが帰るころにはくたくたで。
休日はやり漏れたことをこなしたり、ぼうっと過ごしたり。
夫が資格試験の勉強に精を出しているのに、私はなにをしているんだろう？
時間が欲しいといつも思っているのに、いざできたら何をしたらいいのか分からなくなる。やりたいことはたくさんあるはずなのにね。
変化がない、からなぜか脳内の回路がおかしくなり、毎月のように旅をしている。
いやもう人生とかよく分からないから、行きたいところもやりたいこともできるうちが旬だと思ってやるわよ。
海外旅行に比べたらささやかな夢ばかりだけれど、世界が小さい自分には大きな一歩なのだ。
先日、夫をおいてゲストハウスに泊まったりひとり旅をすることを「まだそんなことやってるの？」と言われた。
まだ小骨のように引っかかっている。
うるさいやるよ私はやるんだよ。
我が家のスタイルを他人にごたごた言われたくないやーい。
というわけで、また行くよ。
変化がないけど、たぶん変わっていないわけじゃないから。
「変化がないのは、俺も同じだから」
だからなんだってんだ、好きに生きなさいよ。
私の中に息づく誰かにそう言えるように、頑張ってゆきたいと思う。
夏の盛りの、誰に届くでもない所信表明である。
